患者様へ

拘縮肩:

拘縮肩とは狭い意味での五十肩であり、肩の痛みと肩の動きの制限を主な症状とします。一般的には、明らかな外傷などのきっかけがなく、徐々に疼痛(特に夜間痛)が出現し、その後に動きの制限が起こってきます。痛みの強い時期には注射療法が必要で、動きの制限が強い時期にはリハビリテーションが必要ですが、自然経過で症状が改善する場合も多く認めます。しかし、外傷に続発した場合や、糖尿病及び甲状腺疾患に合併した場合には治療が長期化し、1年以上に及ぶ難治性の場合には手術的治療が必要になります。そのような場合にも、我々は肩関節鏡視下手術を行っており、関節の動きを制限している関節の袋(関節包)を広げる関節鏡視下関節包切開術を行っています。分厚くなっている関節の袋が広がると、肩関節の動きの改善とともに夜間痛を中心とした肩の痛みからも解放されます。術後は、三角巾による安静が数日必要なだけです。

拘縮肩の場合、肩関節の動きは関節鏡視下手術で改善しますが、肩甲骨の動きの制限は改善しません。術後のリハビリテーションで、肩甲骨周囲の筋肉のツッパリ感を矯正していくことによって、正常な肩の動きを取り戻していきます【図9】。通常、術後数カ月のリハビリテーションが必要になります。リハビリテーションを円滑に進めるためには、肩甲骨の自己ストレッチ体操も重要で、我々肩外科医や肩専門理学療法士の指示を聞いて頂けると有難いです。

リハビリテーション
【 図9 】
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