肩甲骨を制する者は肩関節を制する?
肩関節における肩甲骨の役割は重大です。なぜなら、肩甲骨は、胸郭に対しては筋肉での連結しかもたず、体幹に対しても肩鎖関節を通じて鎖骨を介した骨性連結しかもっていません。肩関節は肩甲骨を基盤に形成された関節ですので、肩甲骨を無視して肩関節の論議をすることが出来ません。
元来、肩関節は肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の二つの関節を介して成り立っておりますが、整形外科医の中で肩を専門とする肩外科医にとっても、これら二つの関節の動きを正確に評価して、複雑怪奇な肩甲骨を正確に検討することは至難の業です。ある意味では、我々肩外科医は、肩甲上腕関節の骨、軟骨、靭帯、腱、筋肉等の解剖学的構造の破綻を修復あるいは再建することは得意ですが、肩甲骨を中心とした肩甲胸郭関節の正確な評価は、運動器のプロである理学療法士の中でも、肩を専門とする肩専門理学療法士の協力なくしては不可能ではないでしょうか。
肩外科医と肩専門理学療法士の協力で、推し進める研究
前述の通り、肩関節疾患を極めていくには、肩外科医と肩専門理学療法士のコンビネーションが必須です。我々、大阪ショルダーチームには、優秀な肩外科医と優秀な肩専門理学療法士がタッグを組んでおります。そして、チームの目的は、肩関節疾患に対する①臨床、②教育、③研究です。臨床の現場では、様々な疑問がよどみなく出てきます。そして、その疑問を解決するためには、様々な研究が湧き出てきます。そして、個々の研究には、肩外科医と肩専門理学療法士の枠を越えて、熟練研究者が若手研究者を教育しながら推し進められていきます。
現在までに、国内及び海外の多くの学会や研究会で、様々な発表をして参りました。また、様々な論文を輩出して参りました。我々の業績をご覧頂き、肩関節疾患の治療、教育、研究に興味をお持ちの方は、是非、我々にコンタクトをとって頂ければ幸いです。